若社長は面倒くさがりやの彼女に恋をする
なのに、牧村さんは私の話をニコニコ聞いている。
「最低限の家事なら私もできますし、美味しい食事や綺麗な部屋が必要ならヘルパーさんを頼めば問題なしです」
当たり前のように言われて、妙に納得。
「……ああ、なるほど」
そうか。お金ってそう使うんだ。
ヘルパーさんっていくらなんだろう? こんな小さな部屋でも来てくれるかな?
「響子さん?」
「あ、すみません」
「……ヘルパーさんじゃなくて、僕と付き合いましょう?」
「えー」
それとこれとは別問題だ。せっかく楽するための良い情報を教えてもらったんだから、使いたいじゃないか。
「一ヶ月! まずは一ヶ月お試しで付き合ってください」
「……一ヶ月?」
「はい。僕はあなたの仕事の邪魔は決してしません。父が医者だって言ったでしょう? それがどれほど大切な仕事か理解しています。後、家事も掃除もなんなら僕がしますから」
「え、ホントに?」
うわ、ダメだ。ここ、流されるところじゃないから。
けど、思わず顔がゆるんでしまう。
牧村さんはニコリと嬉しそうに笑い、私の弱点を攻めてくる。
「昨日も今日も出来合いのお粥なんか持ってきちゃいましたが、実は僕、料理もできるんですよ」
「本当に?」
「海外では一人暮らしでしたし、自分で作ってました。家事全般もあちらでは男性がするのは普通ですし」
「へえー」
そうなんだ。いいなぁ。
過去付き合った相手の「手料理食べたいな」と言うセリフを思い出す。仕方なく作った料理も、配膳すら手伝わずに座って出てくるのを待つだけとか、じゃあ片付けくらいするのかと思いきや、もちろんしなかった。
世の中そんな奴ばかりじゃないと思いたいが、家事能力を求められるのも「せっかく美人なんだから、もっとオシャレしなよ」とか女を求められるのもウンザリだ。
「良かったら、今日の昼と夜に手料理食べません?」
「え?」
「多分ですが、響子さん、栄養不良ですよね。少し元気の出るものを食べた方が良いと思います」
「最低限の家事なら私もできますし、美味しい食事や綺麗な部屋が必要ならヘルパーさんを頼めば問題なしです」
当たり前のように言われて、妙に納得。
「……ああ、なるほど」
そうか。お金ってそう使うんだ。
ヘルパーさんっていくらなんだろう? こんな小さな部屋でも来てくれるかな?
「響子さん?」
「あ、すみません」
「……ヘルパーさんじゃなくて、僕と付き合いましょう?」
「えー」
それとこれとは別問題だ。せっかく楽するための良い情報を教えてもらったんだから、使いたいじゃないか。
「一ヶ月! まずは一ヶ月お試しで付き合ってください」
「……一ヶ月?」
「はい。僕はあなたの仕事の邪魔は決してしません。父が医者だって言ったでしょう? それがどれほど大切な仕事か理解しています。後、家事も掃除もなんなら僕がしますから」
「え、ホントに?」
うわ、ダメだ。ここ、流されるところじゃないから。
けど、思わず顔がゆるんでしまう。
牧村さんはニコリと嬉しそうに笑い、私の弱点を攻めてくる。
「昨日も今日も出来合いのお粥なんか持ってきちゃいましたが、実は僕、料理もできるんですよ」
「本当に?」
「海外では一人暮らしでしたし、自分で作ってました。家事全般もあちらでは男性がするのは普通ですし」
「へえー」
そうなんだ。いいなぁ。
過去付き合った相手の「手料理食べたいな」と言うセリフを思い出す。仕方なく作った料理も、配膳すら手伝わずに座って出てくるのを待つだけとか、じゃあ片付けくらいするのかと思いきや、もちろんしなかった。
世の中そんな奴ばかりじゃないと思いたいが、家事能力を求められるのも「せっかく美人なんだから、もっとオシャレしなよ」とか女を求められるのもウンザリだ。
「良かったら、今日の昼と夜に手料理食べません?」
「え?」
「多分ですが、響子さん、栄養不良ですよね。少し元気の出るものを食べた方が良いと思います」