モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
「えーっと……振られました」

語尾の方がだんだんと小さくなったけど、たぶんハッキリ聞こえたはず。



思考停止して動かない2人。


えっ……大丈夫?生きてる、よね!?



「もしもーし見えてますかー?」って顔の前で手をヒラヒラさせたらパシっと手を掴まれた。



「なんで言ってくれなかったの」

「えっ…だって、いつも振られてばっかりただからそんなに大事でもないかなって…」

「馬鹿じゃないの?親友のあんたのことだから泣き喚いたんだろうけど少しは頼ってよ…!」



え、え、え、梓さん??

なんだか物凄く怒ってる_よね?


ひっそりとツノが見えるんですけど…。



「莉愛には時間がないっていうのに……なんでそうなるかなぁ」



頭を抱えるアズに、すかさず朝陽先輩が口を挟んだ。




「時間がないって、なに?どういうこと?」


あっしまった。

アズは「ヤバい」って表情してるけど、口を滑らせちゃったものは仕方がない。
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