モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
でもお母さんは幸せそうだよ。

許婚と結婚してもずっとずーっと幸せそうに暮らしてる。



だからきっとー…


「幸せに暮らしてる」


これが私の答え。



クスっと少しだけ口角を上げて笑ったお母さん。



「大正解。幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん!……なんだけど、あのとき男の人の方を選んでたらもーっと幸せだったんじゃないかって思う時がたまにあるのよ」


さっきまでの笑顔とは一変して、今度は切なそうに目を瞑った。




「今はもちろん莉愛も生まれて幸せいっぱいなんだけど、あのとき別の選択肢を選んでも良いのかなって思ってるの」


「え…?」


「ふふっだから…莉愛、あなたは好きな道を進みなさい」



そっとお母さんの手が頬に触れて包まれる。



「私と同じ想いを莉愛にはしてほしくないのよ」


「っ、お母さん」


「もちろん蒼井くんは良い人よ。だけど、それ以上に莉愛には幸せになって欲しい」
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