モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
そう思ったわたしは携帯を手に取ってある人に電話をかけた。


プルルル…
繋がるか分からないその番号。




「…もしもし?」


っあ、出てくれた。

掛けた先は紛れもない渚先輩。



〜っ声が聞けただけで泣きそうになって、思わず言葉に詰まった。



「…っ先輩」


「なんか用でもあった?」



相変わらずぶっきらぼうで無愛想だけど、それがどこか落ち着いておかげで泣かずに話すことができそう。



「その、先輩ってクリスマス空いてますか?」


「別に空いてるけど。なに、俺と過ごしたいって?」


「分かってるじゃないですか!」


「ふはっまーな。莉愛の考えてることは大体全部わかるんだよ」



渚先輩の低くて…甘い声が耳元で響くからなんか変な感じ。

普段はこんなこと絶対に有り得なかったから。


だけど、あの日、先輩の家に押しかけた日からちょっとだけ前より態度が和らいだっていうかなんだかそんな感じがした。
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