モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
目の前にそびえ立つ大きなクリスマスツリー。
首を結構上げないとテッペンまで見えなくて、意外と大変。
「お前チビだから見えない?」
「なっ!一応今日は身長ちょーっと高いんですよー?」
「あ〜ほんとだ。でもまだまだ俺には追いつかねーのな」
ポンっと渚先輩の手が頭に乗ってイジワル気味に微笑む。
〜っズルイよ、その笑顔。
心臓を鷲掴みにされたって多分こういうこと。
渚先輩の綺麗な横顔。
笑った顔も怒った顔も、全部がダイスキ。
「……ねぇ先輩」
今だけ先輩の特別になりたい。
そう思ったらダメですかー…?
「もう一回だけ、恋人繋ぎしてください」
きっと先輩は私がどれほど悲しい思いをしているかなんて分からないよね。
この冬休みが終わったらまた普段通りに学校で会えるって思ってるはず。
だけどね、先輩。
今日がもう最後なんです。
私は4日後の誕生日を迎えたら、もう他の人のものになる。