モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
違いますよ、そんなのいらないです。


私が欲しいのは_



ギュッと先輩を抱きしめる。




「っは、」



『渚先輩の温もり』


忘れません。この温かさも香りも全て。

私が愛した人だから。


今まで散々付き纏ってごめんなさい。


もう解放しますよー…先輩を。



「なーんちゃって。あはは…先輩あったかいから抱きつきたくなっちゃいました!」


涙が出そうだったけど引っ込めて、その代わり笑顔で言った。



_お願いだから何も気づかないで。



その願いが伝わったのか、先輩はかえって普段通りで安心した。




「ったく笑い事じゃねぇぞ」って。


気づかないでくれて感謝します。



その後、来た道を戻るように電車で帰った。

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