モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
も〜お父さんったら!
気が早いったらありゃしない。


今日までありがとう、お父さん。



威厳に溢れた人だったけど結局は娘想いのお父さんだった。



ガチャー…


眩い光が見える先を一歩、また一歩と脚を踏み出して進んでいく。



ゲストは両家の家族のみ。

あまり大勢の人を呼ばないでの披露宴。



牧師様の前には蒼井くんがいて、私と目が合うなりニコッと微笑んでくれた。



ついにこの日になっちゃったなぁ。

こうやってヴァージンロードを歩いているときだって渚先輩の顔が頭に浮かんでいて、綺麗なチャペルまで用意してくれたのに申し訳ない気持ちの方が大きくて、心が痛んだ。



最初から蒼井くんを好きになってたらよかったのに。


あの日、渚先輩に恋なんかするんじゃなかった……。



見つめ合う私と蒼井くん。


ごめんね、蒼井くん。

_最後の最後まで縛られている私で。
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