モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
私の指に指輪をはめる。


キラッと光るシルバーのダイヤモンドがとても綺麗でデザインが可愛い。



嬉しい……けど、なんでこんなにもモヤっと心残りがするんだろう。



『結婚』といえば誰もが幸せに飛び立つ日だけど全然祝えなくてむしろ心が沈んでしまう。

……こうしてこの場に立っていることすらもおかしいと思っちゃう。



渚先輩は本当に最低な男!

こんなに私を好きにさせておいて。



「新郎•蒼井さんは、新婦・莉愛さんを健やかなる時も、病める時も、豊かな時も、貧しき時も、これを愛し、慰め、命のある限り真心を尽くすことを誓いますか?」



「─…はい、誓います」




蒼井くんのハッキリとした口調。


次は私の番。



…もう、これでいいんだよね。

本当の本当に最後の決断のとき。




ここで「はい」と答えれば私の一生は蒼井くんのものになって生涯をグループのために費やす生活になる。
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