モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
ふわっと甘い匂いが鼻腔をくすぐって_

すぐ目の前に先輩がいて_

まるで抱きしめられているみたいな体勢。


シュルっと解かれたハチマキ。



「え…?」

「交換するんだろ、俺のとお前の」

「あ、えっはい」


ようやく事態を飲み込んだ。


あっという間に解かれたハチマキは渚先輩のと交換されて、わたしの頭にも巻かれた。


〜っこ、こんなの反則すぎる!

いつもだったらイジワルなのにっ。



ドキドキ……と高鳴って近くにいる先輩にまで聞こえちゃいそう。



「ほら、行くぞ。_莉愛」


「え?行くってどこに…って、今名前で呼びました!?」


「…さぁ?」


「ちょっと先輩〜教えてくださいよ!」


夢かと思った。

ついさっきまで不穏だったけど、一気に晴れてしかも名前で呼んでくれて。


まさに天地が一変した気分だった。
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