数分間だけ。
「私が彼女でいても、いいの?」


私がそう問うと、さらりと答えが返ってきた。



「逆に、俺は光じゃないとだめ。光以外は考えられない」


「……っ」


さらに強く抱きしめられる。


「俺は、光の全部が好き。隣に居ると安心できて、落ち着く。光に会うとさ、あぁ好きだなぁって思う」


そんなの、私だって同じ気持ち。

小学生になって初めて好きになった人が、令秋くんだった。


中学の転校先でもずっと忘れられなかった。

もしかしたら彼女がいるかもしれない。


なのに、諦められずずっと想ってた。



「私ね、成人式で令秋くんと会ったとき、諦めないでよかったって思ったの」


「俺も。光のことずっと好きで、なんでもっと早く気持ち伝えなかったんだろうってすごい後悔した」



令秋くんは一呼吸置いたあと、ゆっくり話した。



「光は、俺のこと全部知っても受け止めてくれて、大好きだって言ってくれて」

「うん」


「光は俺にとって宝物で大切な存在。失いたくない」
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