数分間だけ。
「令秋くん。大好きだよ」



暗くてよく見えないけど、きっと笑ってくれてるんじゃないかな。

そんな気がした。



「ねえ、手出して?」


私は令秋くんの腕をほどき、握られた両手を上から握った。


「令秋くんの手が、暖まりますように」

「俺の手が冷たいのは、情けないからなのに」


「それでもいいよ。好きだから」


心の中でそう願う。

そして、ずっと一緒にいられますようにって。


唇に一瞬だけ触れた。

キスに重さも関係ないんじゃないかな。

幸せだと思ったら、それでいい。



「えっと、もう一回……」



でもやっぱり、本能で求めてしまうものは求めてしまうらしい。



「だめ、これ以上は俺が止まらなくなるから」



離された手でもう一回抱きしめられる。


幸せのぬくもりが、私たちをそっと包んでくれた。
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ラブコール♡ティー

総文字数/7,904

恋愛(逆ハー)14ページ

表紙を見る
君と一番の恋をする

総文字数/69,807

恋愛(ラブコメ)150ページ

表紙を見る
君の初心者

総文字数/5,160

恋愛(純愛)10ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop