私の愛は···幻

『良いでしょう。
説明致します。
あなたは、少しは出来るようですね。』
と、顧問弁護士に言うと
顧問弁護士は、真っ青になっている。

『あなたが二人は、本当に無知なんですね
日本の言葉を使うと
井の中の蛙大海を知らずですね。』
と、言うと
「何を!!」
と、泰人が叫ぶと
「社長!!止めて下さい。」
と、顧問弁護士が即座に止めたので
泰人は、渋々椅子に座る。

アルフレッドは、
本当に無知は怖いと思いながら
大きなため息がでる。

アルフレッドが合図をすると
スクリーンが下ろされて
画面が映し出される。

そこには、
堂基 泰人と
副島 相馬と花奈が
日本料理店に何度も出入りをする所が
映し出された。
( 日にちも日時も異なる )

「これは?」
と、健人。
『これは、三人が結託して
あなたを巻き込む為の打ち合わせ
だと、思います。」
「そんな事は、嘘だ。」
と、泰人。
『あはは、嘘?
ソエジマリゾートは、
手を貸すにも程遠い
もう、潰れていたのですよね。

あの娘が、次々と事業を
失敗して、もう、どうにも
ならなかったのですよね。』
と、アルフレッドが言うと
「どういう事ですか?」
と、泰人に訊ねる健人。

答えない泰人に
アルフレッドは、
『ずっと、粉飾決済をして
あなたの父上が援助していた
みたいですよ。
あなたの父上の資産も
そこが近いのでは?』
と、言われて
泰人をみると苦しげな顔をしている。
「どういう·······
と、言いかける健人を
手で制止するアルフレッド。

スクリーンには、
次々に映し出されて行く

健人と花奈が抱きあってる所
キスをしている所
そのままホテルの部屋に入る所
翌朝、健人がワイシャツ姿で
部屋から出てくる所、等など

健人は、真っ青な顔に

その上
花奈が天音に言いがかりを
つけている所
( これは音声付き )
一度や二度ではない。

画面がかわり
天音が病院へ入って行く所
そこは、産婦人科
嬉しそうな顔の天音

一転して
シャングリ・ラホテルラウンジ前
抱き合う健人と花奈。
その横を通る天音
あ然とする健人に
笑っている花奈が
映し出される

健人は、口に手をあてたまま
呆然と。

また、画面がかわり
救急車で病院へ運ばれる天音
ストレッチーには、
沢山の血が·····

ガタッと、椅子から立ち上がる
健人····

目を閉じ病室のベッドにいる
天音の目から涙が流れる。
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