私の愛は···幻
榊に急かされて
泰人、菫、相馬は
記入していく。
花奈は、ふるえながら
やっと記入した。
健人だけは、下を向いたまま
動かない。
そんな健人に
「バカな男だ。
ソエジマの会社の件で
連絡があったとき
その後でも、天音に相談したら
話をしていたら
天音が動いたのに。
天音は、おばあさまがウォルトン家の
人間だとは知らなかったが
俺が、そういう仕事をしているのは
知っている。
お前は、それだけ天音を軽視して
いたんだよ。
こんなバカな女なんかと
格が違うんだ天音は。
音楽業界でも有名だしな。
まあ、所詮
お前は、お前の親父と同じなんだ。
大事なもの大切な物の本質を
見極められない。
さあ、早く書け。
俺は、お前を殴りに来ただけだ。
書類を持って、早く天音の
元に帰りたい。
まだ、意識が戻ってないからな。」
と、言うと
三人に首を動かして
三人が健人を挟み引き上げて
ソファーに座らせた。
榊は、
「健人さん、書いて下さい。」
と、言うと
健人は、首を横に何度も振る。
「いいか。
お前に、今 出来る事は、
それ以外ないんだよ。かけ!!」
と、温斗がテーブルを蹴り上げ怒鳴ると
花奈が、ビクッとして泣き始め
菫は、
「健人 書きなさい。
天音ちゃんを苦しめたのは
あなた達なのよ。
今は、天音ちゃんの意識が戻る事を
願うことしか私達にはできないのよ。」
と、言うと
健人は、ペンを取り
署名をした。
榊は、書類を確認してから
温斗に渡すと
温斗は、それをもう一度確認してから
榊に頭を下げてから
去って行く
「天音の、意識が戻ったら
教えて貰う事は出来ませんか?」
と、言う健人に温斗は、
「お前に?なぜ?
そんな必要がどこにある。」
と、言った。