私の愛は···幻
1️⃣3️⃣
🎹日本では…
【 日本の様子 】
泰人と菫、榊弁護士は、
集められるだけのお金を集めて
社員への給与を支払った。
従業員一人、一人と話をしながら···
文句を言う人もいた。
罵られる事もあった。
だが、退職金までは無理だったが
少しだけ上乗せして支払う事と
会社側の責任で職を失う
手続きをした。
菫は、一人、一人に
頭を下げていた。
賠償金、違約金
従業員の賃金
会社の倒産手続き
全て終わるのに
半年以上かかった。
泰人は天音を逆恨みしていた。
健人は、投げやり?
呆然としてやる気が
まったく無くなっていた。
それを菫に何度も何度も
諭され話をされ
わからないと叱られていた。
弁護士の榊も菫と
一緒に話をしていた。
泰人のやり方や人を見下す
態度は、榊も気になっていた。
だが、放置していた。
それも原因だと思ったから。
菫も、泰人が天音を認めていないのが
わかっていたのに放置していた。
だが、いつまでも
そんな思いを持っていないだろうと
簡単に考えていた。
まさか、夫と副島さんが
副島さんの娘の花奈さんを
健人にと本人も交えて話しあっている
なんて考えてもいなかった。
どうして、もっと
家族で話さなかったのか
どうして、そのままに
していたのか
と、考える日々だった。
自分も今の生活にあぐらをかいて
簡単に考えていたんだ。
泰人は、ずっと、こうして
生きてきたから
菫や榊が言っていることが
理解出来なかった。
だが、菫の兄である
飛鳥さんに話をされて
回りから、どんな風に思われ
言われていたのかを話されて
自分がだんだんと情けなくなって
行った。
飛鳥さんから
「健人を預かり
いちから勉強させるから」
と、言われた。
菫と俺には
「別荘の管理の仕事を
やってみてはどうか?」
と、言ってくれた。
前の俺なら
何を!!
と、なっていただろうが······
ありがたいと感謝しながら
なれない掃除などをやった。
菫と畑も作ったりした。
健人は、中々使い物に
ならなかったらしいが。
榊先生が健人の元に訪れて
手紙と写真を健人に渡した。
それは、あの時
健人を殴った
天音さんの従兄さんからだった。
〈 天音は、やっと意識が戻った。
色々なトラウマがあるが
元気にやっている。〉
と、書かれていた。
同封の写真は、
天音さんの結婚式の写真で
沢山の人に囲まれて
幸せそうに笑っていた。
健人は、その写真を
握り締めボロボロと涙を流した。
自分の時には、出来なかった
沢山の人からの祝福
幸せそうな笑顔
その天音の姿を見て
写真に何度も、何度も詫て
いい加減な気持ちで結婚した
わけではない。
本当に、天音を愛していた。
だが、両親のいない天音を
仕事で頼ろうとは
まったく思っていなかった。
それは、軽視しているつもりでは
無かったが
出来ないだろうと頭から
排除していたのだろう。
夫婦なんだから
どんな些細な事でも
話しあい、先に進める事が
大切なんだ、と思い知らされた。
健人は、母親の兄である
飛鳥さんの下でいち社員として
やり直す事を誓い
両親から離れた。
榊先生と母にお礼を言って。
一年間、母の兄の元で
厳しくされ勉強もして
海外に飛ばされた。
東南アジアからスタート。