私の愛は···幻

榊は、温斗のお陰で
健人が立ち直れた事を
連絡した。

写真を見ながら
ずっと、天音さんに詫ていました。
と。

お礼の言葉と共に
堂基での仕事は全て終わりましたと。
天音さんの今後の健康と幸せを
願っております。
と、手紙に書いた。

副島さん親娘の事は·····
知らせなくても
わかっていると思ったから
そのままにした。

副島の親娘は、
天音さんへの支払いで
足らない分をあちこちから借りて
支払いが滞りになり
父親は、警備員や工事現場の誘導を
掛け持ちでやるが
到底追いつけず。

花奈は、高飛車な性格を
変える事もせずにいたが·····

そのせいか、もうどうにも
ならない状況になり
榊が入り自己破産をした。

そのことは、花奈の自尊心を
大きく傷つけ呆然としていたが
それでも生活はしないと行けない。

年老いた父親が
掛け持ちで働いている姿を見て
父親と二人で母親の里へと移住し
やり直す事にした。

山や海、田畑しかない場所で
日に当たり、汗を流して
働きお金を稼ぐと言う
根本的な事をした。

会社を潰し
人の命を軽視した
報いは大きく
二人の人生を大きく変えた。

まあ、どんなとこでも
負けず嫌いの花奈は頑張り
母親の里の農業を手伝ったり
町興しの手伝いをしたり
( 企画や何をしたら
 町に活気がわくか、そんな事を
 考えるのが好きだから )

父と二人で働きながら
細々とした暮らしだが
花奈は、そんな生活を
楽しんでいた。
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