私の愛は···幻
1️⃣5️⃣
🎹恩師
ライラが、2歳になった時
岡本 京子先生が大学を退職されると
連絡がきた。
名誉教授までされた先生。
私が、人一倍お世話になった方だ。
アルとおはあ様に相談した。
おばあ様は、私が先生や大学に
迷惑かけたことを気にしているのが
わかっているから
「行っておいで。」
と、言ってくれたが······
アルは、わかっていても
中々、良い返事をしてくれなかった。
日本に対して
私が良い思いがないから
心配でたまらないみたいだ。
私は、アルが良いと、
言わなければ行くつもりはなかった。
すると······
アルは、
「わかった。」
と、言ってくれたから
「アル、ありがとう。
行ってくるね。」
と、言うと、
抱きしめて私の首に
おでこをつけたまま動かなかった。
アルの不安と心配は
私を大事にしてくれている証拠
私は
「アル、大好き。
ううん、愛してる。
心配ばかり、かけてごめんね。」
と、伝えると、
首を振りながら
「俺も愛してる。」
と、言ってくれた。
温斗が一緒に行く話しだったが
ライラがいるので温子さんが一緒に
行く事に決まった。
温子さんがいない間の
おばあ様の身の周りは
良さんと温斗がやる。
天音とライラの身体の負担を考慮して
ウォルトン家のプライベートジェットか
動く事に。二泊三日で。
アルは、不安でオロオロしている
日本へ行く前日まで
天音から離れずにいた。
温斗から
「そんなに心配なら
お前も行けば良い。」
と、言われて
アルは、“そうか”と。
岡本先生に連絡をして
天音に内緒にしてもらい
準備をする。
温斗は、呆れながら
嬉しく思っていた。
アルは、天音が絡むと
直ぐにヘタレになり尻込みをする癖がある。
本人は、わかっているのか
わからないが········
そんなアルが、自ら動く
アルが動くのは、大変な事だが
自分の愛する妻の事なんだから
良いのではと温斗は思っていた。
本日······
天音は、温斗に空港まで送ってもらい
ライラと温子さんと共に日本へと
旅だった。