私の愛は···幻
1️⃣7️⃣
🎹両親の引退
アルの両親は、現役を引退して
数日 自宅でゆったりしてから
あちこちの国々を回っている。
沢山の国を周り演奏してきた
お二人だが、綺麗な国々を
ゆっくり観ることは出来なかったと。
ライラと二、三日遊んでから
出掛けて行かれた。
『まったく、騒がしい。』
と、アルは言っていたが
アルだって、あちこち飛び回っている。
引退したら、ゆっくりしようね。
と、今は言えないが
もう少ししたら、伝えたい。
今、話したら本当にやめちゃいそう
だから······。
そんなアルは、
今ドイツで演奏を行っている。
神の手と言われるアル。
かなり先まで演奏依頼が入っているとか。
アルは、両親が経営している
会社に所属していて依頼がきたら
アルに確認に入り
受けるかが決まる。
アルが断る事は、殆どないらしいが·····
受けると私とお母様に
通知がくる。
いつ、どこで、何日滞在
経路、宿泊先と。
これは、アルがお願いしていること。
『ママっ』
『ライラ、おかえりなさい。』
と、小さな声で言いながら
手招きをすると
にっこり笑いながら
近づいてきて
『大オバアちゃま、ただいま。』
と、おばあ様の手を握る。
おばあ様は、
一日のほとんどを
ベッドに横になり寝ている。
それでもライラが手を握ると
かすかに握り返すから
ライラは、嬉しそうに
私を見上げる。
良さんも温子さんも
おばあ様のそばにいる。
ウォルトン家の仕事は
温斗が殆ど受け継ぎ
行っている。
温斗の仕事は温斗が信頼できる人に
任せて、売上の一部を貰っているらしい。
ミロ大叔父様も
おばあ様の事を心配して
一週間の内何度も連絡がはいる。
大叔父様は、お元気で
良かったと思っているが
大叔父様も仕事を
息子達に委ね始めている。
息子と言えども大叔父様が認めない
ものは使わない。
レオ大叔父様の子供達も同じ。
その中で、温斗は優秀らしく
可愛がられている。
温斗も面白いと言って
やりがいがあるみたい。
だから、自分の仕事を任せる
事にしたのだろう。
私の回りも変わりつつあるが
私のお腹には第二子が。
ライラは、大喜びだが
アルは、ライラの時があるから
心配して、少し口うるさくなっている。