私の愛は···幻
2️⃣1️⃣
•••その後を•••少しだけ•••
『温斗さん。
天音さんと琴音ちゃんの
リサイタルに行ってきますね。』
『ああ。かすみ、気をつけてな。』
『うふっ。はい。
温斗さんも気をつけて下さいね。』
温斗さんに告白されて
初めは、ええっ、一回りも上の人?
きっと、からかわれてるか
物珍しいだけだと思っていたから
はいはい。といった感じに
軽くかわしていたが······
温斗さんは、優しくて
忙しいのに時間を作って
私と接してくれて······
いつのまにか
ぐちゃぐちゃに甘やかされて
温斗さんがいないと
駄目になっている自分がいて
私の方から
お嫁さんにして欲しいとお願いした。
『バ〜カ。
俺がかすみじゃないと駄目なんだよ。』と。
結婚して本当に温斗さんが
忙しい事を知り
私の為にどれだけ無理をしていたのかと
思うと·····
『かすみちゃんだからだよ。
大丈夫。
温斗は、かすみちゃんの
為なら全てを削っても
時間をつくるから。』
と、言ってくれるのは
私の大好きな天音さん。
あっ、温斗さんの次にですが····
天音さんは、温斗さんのいとこさん。
優しくて とても綺麗な人
『またまた、どうして
俺以外をそんなに優しい顔をして
褒めるかな?
天音は、俺のだよ。
俺だけの大事な大切な人なんだから。』
と、天音さんを抱きしめて
天音さんの頬にキスするのは
天音さんを溺愛する
天音さんの旦那様である
アルフレッドさん。
あのピアノ界の貴公子と呼ばれる方。
アルフレッド事アルさんは、
温斗さんの幼なじみ。
三人は、とても仲良しだけど
天音さんと温斗さんの距離が
近いとヤキモチを毎回やいている。
『アル。
私と温斗は、いとこ同士
温斗は、かすみちゃんが
大好きなんだから。』
と、言う天音さん。
『大好き、じゃないな。
愛してるんだよ。』
『あっ、温斗さん。』
と、かすみちゃんを抱きしめる温斗。
『まったく。
ヘタレが、ヤキモチ焼くくらいなら
早くに告白しろ。』
と、アルさんに向かって言う温斗さんに
『あっ、また、ヘタレって言った。
だって············
下を向いてグチグチ言うアルさん。
『温斗。アルをいじめないで。
ヘタレは、アルが一番わかってるから。』
『あっ、天音までヘタレって言った。』
と、へこむアルさん。
私は、三人のやり取りが
可笑しくて笑ってしまう。
天音さんと温斗さんの
おばあ様の家の一部を
リフォームして
私達がいつ遊びに来ても
泊まれるように部屋を造ってくれた
天音さん夫婦。
私と温斗さんは、
ウォルトン財閥の近くに
アパートメントを借りて
暮らしているが
私は、頻繁にここに来て
天音さんと過ごしている。
琴音ちゃんやアルフレッドさんの
演奏を聴きにでかけたりして。
前まで一緒に暮らしていた
良さんと温子さんは、
日本へ戻り
日本のお墓を守ってくれていると。
今、ここには
ウォルトン家が厳密に調べて
問題ないと言われてる
シェフ二名とメイドさん二名が
仕事をしている。
大きな屋敷には
ライラ君や琴音ちゃんの部屋
天音さんとアルさん夫婦の部屋
とクローゼット部屋
客室、温斗さんと私の部屋に
クローゼット部屋
温室がありピアノ部屋がある。
庭も綺麗で住心地がとても良いから
私は、直ぐにこちらに来て
天音さんのボランティアのピアノを
お手伝いしたりしている。
こんな生活をするなんて
日本にいるときは
思ってもいなかった。
幸せすぎる······