Rainbow Moon 〜操遇〜
【3】レインボームーン
17:30。
裁判が終わり、ヘトヘトで出てきた鳳来咲。
テレビドラマのように簡単には終わらない。
色々な手続き、被告側との今後の調整。
などなど…
表は激しい雨。
「あちゃ〜やっぱ来たかぁ…💧」
今朝の彼女に、傘など持つ余裕はなかった。
なんでまた、こんな不便なとこに建てるかなぁ…とボヤきたくもなる。
すると、見覚えある車が停まった。
「咲さん。乗ってくかい?」
(やっぱり神か?イヤイヤ…ないない)
と思いながらも、乗り込む咲。
「………」(咲)
「そんなに見つめられると照れるじゃねぇか」
「刑事なんて聞いてないし!」
「聞かれなかったからな」(笑顔)
(その笑顔は、何なのよ!)
東京本庁刑事課 富士本恭介 (35才)
今回の事件に関わってもおり、原告側の補佐として、呼ばれたのであった。
「しかし、やられたよ。全くお見事でした」
突然の監視カメラ映像。
決定的かと思われた証拠。
だが提示された瞬間。
「なぜあれが偽造と分かった?」
疲れ果て、諦めていた無気力な被告の目が、微かに細まったのを、咲は見逃さなかった。
「勘よ!」
「………」(富士本)
鑑定の結果、明らかに編集、加工されたものと判明したのである。
「こりゃあ、参った!」
そこからの咲は水を得た魚。
検事側証人への追及は凄まじく、偽造により、判事も傍聴人も全て味方についたのであった。
少し雨が小降りになった頃、慌ただしい警察の無線が聴こえた……咲のバッグから。
「あっ、いやね、これにはいろいろと…💦」
「静かに!」
「千種駅前にて、殺人事件発生。繰り返す…」
途端に加速する車。
藤本が、ダッシュボードを指さす。
条件反射的に咲が開ける。
中には赤いパトライトがあった。
「早く!」
「あ、はい!」
テレビで見たのを真似て、窓を開け、屋根に乗せた…つもりが、逆さまであった。
「あらら💦」
パトライトが勢いよく転がり、伸びきった配線が切れた。
「な〜にをやってんだ!」
「すみません💧」
道路に転がったらパトライトは、後続のトラックに踏み砕かれた。
「あらまぁ……って!仕方ないじゃない!初めてなんだから❗️」
逆ギレした咲。
…が、真剣な目をした富士本を見た。
「しっかり掴まってろよ」
「は、はい。」(何か…カッコイイじゃない)
まるでレーサー並みの運転技術であった。
これが、本庁でキレ者として有名な、刑事富士本の本来の姿である。
裁判が終わり、ヘトヘトで出てきた鳳来咲。
テレビドラマのように簡単には終わらない。
色々な手続き、被告側との今後の調整。
などなど…
表は激しい雨。
「あちゃ〜やっぱ来たかぁ…💧」
今朝の彼女に、傘など持つ余裕はなかった。
なんでまた、こんな不便なとこに建てるかなぁ…とボヤきたくもなる。
すると、見覚えある車が停まった。
「咲さん。乗ってくかい?」
(やっぱり神か?イヤイヤ…ないない)
と思いながらも、乗り込む咲。
「………」(咲)
「そんなに見つめられると照れるじゃねぇか」
「刑事なんて聞いてないし!」
「聞かれなかったからな」(笑顔)
(その笑顔は、何なのよ!)
東京本庁刑事課 富士本恭介 (35才)
今回の事件に関わってもおり、原告側の補佐として、呼ばれたのであった。
「しかし、やられたよ。全くお見事でした」
突然の監視カメラ映像。
決定的かと思われた証拠。
だが提示された瞬間。
「なぜあれが偽造と分かった?」
疲れ果て、諦めていた無気力な被告の目が、微かに細まったのを、咲は見逃さなかった。
「勘よ!」
「………」(富士本)
鑑定の結果、明らかに編集、加工されたものと判明したのである。
「こりゃあ、参った!」
そこからの咲は水を得た魚。
検事側証人への追及は凄まじく、偽造により、判事も傍聴人も全て味方についたのであった。
少し雨が小降りになった頃、慌ただしい警察の無線が聴こえた……咲のバッグから。
「あっ、いやね、これにはいろいろと…💦」
「静かに!」
「千種駅前にて、殺人事件発生。繰り返す…」
途端に加速する車。
藤本が、ダッシュボードを指さす。
条件反射的に咲が開ける。
中には赤いパトライトがあった。
「早く!」
「あ、はい!」
テレビで見たのを真似て、窓を開け、屋根に乗せた…つもりが、逆さまであった。
「あらら💦」
パトライトが勢いよく転がり、伸びきった配線が切れた。
「な〜にをやってんだ!」
「すみません💧」
道路に転がったらパトライトは、後続のトラックに踏み砕かれた。
「あらまぁ……って!仕方ないじゃない!初めてなんだから❗️」
逆ギレした咲。
…が、真剣な目をした富士本を見た。
「しっかり掴まってろよ」
「は、はい。」(何か…カッコイイじゃない)
まるでレーサー並みの運転技術であった。
これが、本庁でキレ者として有名な、刑事富士本の本来の姿である。