Rainbow Moon 〜操遇〜
【4】名も亡き捜査
翌朝10:00。
名古屋市警本部。
第一回目の捜査会議が始まった。

まだ肩書きのない対策本部。
成り行き上、本庁刑事課の富士本も参画。
それにより、緊迫感と反発感が混在していた。

「では、ただ今から、千種駅前…事件の会議を始める」

本部長を務める刑事課長、三上 隼人(みかみはやと)が始めた。

途端に、あちこちで不満気な囁きが起こる。
土曜日のため、なおさらであった。

「バンッ!」

富士本が机を叩き、静まり返る会議室。
立ち上がる富士本。

「本庁の富士も…」「バンッ!」

その時、後方の扉が勢い良く開いた。

「ごっめ〜ん。場所がなかなか分かんなくて」

白いサマースーツに、黒の超ミニスカ、赤のハイヒール。ついでに黒サングラス🕶。

突然の鳳来咲に、男性陣の視線が下がる💦
追いかけて来た警備員が辿り着いた。

「部外者はダメですって!」

「おい!彼女は私の…ん〜…あっ!助手だ。構わんから空いてる席へ座りたまえ」

「ほらね、だから関係者だって言ったでしょ」

この成り立ちて、ほらね…はない💧

とりあえず、後方の空いてる席に座る咲。

(偉そうな上に、女連れかよ)
 そんな囁きが加わる。

「自己紹介は…いらんか。昨夜の事件だが、ひかれた女性と、バス内で下半身が見つかった男性は事故死だが、跳ねられた男性の死因はまだ鑑定待ちだ。ただ、明らかなのは、女性が複数回刺したという事実。従ってこの謎を我々は解明する必要がある!不平不満は捜査の邪魔だ。終わったら、この俺がじっくり聞いてやる」

実力と経験が、富士本の言葉に重みを持たせ、捜査員達を圧倒していた。

(やっぱ、カッコイイじゃん)(咲)

「と💦と言うわけだ。みんな協力する様に。では、捜査班を割り振る、まず身元の確認は…」

「はぁ⁉️」

咲が割り込む。

「あんた達、まだそんなこと言ってんの?全く、朝から疲れるわ〜」

「こら!君!言葉をつつ…」

「しみません❗️」

席を立って、歩きだし、プロジェクター用パソコンへ、USBメモリーを差し込んだ。
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