Rainbow Moon 〜操遇〜
【6】運命の軌跡
〜JR千種駅前〜
名古屋独特の蒸し暑さ。
ノースリーブのヘソ出しスタイル。
薄手ジーンズのミニショートパンツ。
「おまたせ〜♪」
目が点の二人に、まさか⁉️とスマホを見る。
10:00 の予定通り。
(ホッ)とする咲。
そこではない💧
「さ、咲さん。今日も素敵です❣️」
「昴、悪いことは言わん。やめとけ」
「ん、何?」
「イヤイヤなんでもねぇ💦ところでなにを探すつもりだ?」
車の中から話す富士本。
「とりあえずスタートは現場でしょ❗️ここが終点なら、ここから軌跡を探すのよ」
と言いながら、辺りを確認する。
(バスはあちらから、宅配便も。二人はあのネカフェから、会社はあそこ…千佳の車はそこ)
富士本の車が停めてある。
「車の中から、見えるか確認するわね、昴手伝って、まずはあそこのミライって会社へ行って、富士本さんに確認を」
そう言って、走り出す咲。
咲は、ネットカフェの前に行き、電話をした。
「見えねぇ」
(中央分離帯の生垣(いけがき)で無理かぁ)
少し歩いて、駅への信号待ちに入る。
「見えねぇぞ」
道路を挟んで昴も✖️の合図。
「これから、二人で別の横断歩道から駅側へ渡るんで、見えたらクラクション鳴らして」
信号が青に変わった。
昴が渡り始めると、直ぐにクラクションが鳴った。
咲の方は、横断歩道の真ん中辺りに来ると、やっとクラクションが鳴った。
その位置から車を見る咲。
(ふ〜ん、やっぱりね。次は…と)
「富士本さん、昴、ネットカフェ前に来てくださいな」
そう叫んで、渡りかけた横断歩道を引き返す。
車を立駐に停めて、二人がやって来た。
「ここが、咲さんの最初の疑問だね?」
「はい。…って、何で知ってんの⁉️」
「監視カメラ映像を見た時の反応でね」
恐るべし富士本…と思う咲。
「それは、不倫を見抜いたからじゃなかったんですか?」 と昴。
「不倫の証拠なんて、無くても分かってるし、それより傘がね〜」
「傘?」
「会社から来た時は、彼は黒い大きな傘で、彼女は高そうなベージュの傘。さすがに相合傘ってわけにはいかないわよね。でも、出る時は彼の腕につかまり、黒の相合傘だったのよ」
「それが何か?」まるで分からない昴。
「現場の遺留品や、回収品には、ベージュの傘の切れ端すら無かったの」
「忘れたんじゃないですか?ラブラブで」
「あんな高そうな傘を?…普通ならないわね。でも念のため、復旧した後の映像を確認したら、やっぱりこの傘立てからは消えてた」
「その間に誰かが盗んだとか?高そうならありえるんじゃありませんか?」
「もしくは…誰かに貸した…か」
富士本が咲を見て呟いた。
「それね。で…貸すとしたら知り合いだと思うのよ。そしてその誰かは、駅側からじゃ無くて、こちら側から、つまり後ろから来た誰か」
「なぜ、後ろからなんです?」
「横断歩道を駅から来たなら、千佳も気づいたはず。知り合いなら、千佳も知ってる人物である可能性が高いと思うんだけど…」
「咲、七海だと言いたいんだな?」
「あんな酷い事故なのに、未だ目撃者が出てこないってことは、雷雨のせいで周りにも人はいなかった…と考えると、確実にあの場にいた七海しか思い浮かばないのよね」
自分の勘が信じられないのは、初めてのことであった。
天を仰ぎかけた咲の視線が止まる。
「富士本さん。見つけちゃったかも」
「はぁ?」
同じ方向を見る二人。
名古屋独特の蒸し暑さ。
ノースリーブのヘソ出しスタイル。
薄手ジーンズのミニショートパンツ。
「おまたせ〜♪」
目が点の二人に、まさか⁉️とスマホを見る。
10:00 の予定通り。
(ホッ)とする咲。
そこではない💧
「さ、咲さん。今日も素敵です❣️」
「昴、悪いことは言わん。やめとけ」
「ん、何?」
「イヤイヤなんでもねぇ💦ところでなにを探すつもりだ?」
車の中から話す富士本。
「とりあえずスタートは現場でしょ❗️ここが終点なら、ここから軌跡を探すのよ」
と言いながら、辺りを確認する。
(バスはあちらから、宅配便も。二人はあのネカフェから、会社はあそこ…千佳の車はそこ)
富士本の車が停めてある。
「車の中から、見えるか確認するわね、昴手伝って、まずはあそこのミライって会社へ行って、富士本さんに確認を」
そう言って、走り出す咲。
咲は、ネットカフェの前に行き、電話をした。
「見えねぇ」
(中央分離帯の生垣(いけがき)で無理かぁ)
少し歩いて、駅への信号待ちに入る。
「見えねぇぞ」
道路を挟んで昴も✖️の合図。
「これから、二人で別の横断歩道から駅側へ渡るんで、見えたらクラクション鳴らして」
信号が青に変わった。
昴が渡り始めると、直ぐにクラクションが鳴った。
咲の方は、横断歩道の真ん中辺りに来ると、やっとクラクションが鳴った。
その位置から車を見る咲。
(ふ〜ん、やっぱりね。次は…と)
「富士本さん、昴、ネットカフェ前に来てくださいな」
そう叫んで、渡りかけた横断歩道を引き返す。
車を立駐に停めて、二人がやって来た。
「ここが、咲さんの最初の疑問だね?」
「はい。…って、何で知ってんの⁉️」
「監視カメラ映像を見た時の反応でね」
恐るべし富士本…と思う咲。
「それは、不倫を見抜いたからじゃなかったんですか?」 と昴。
「不倫の証拠なんて、無くても分かってるし、それより傘がね〜」
「傘?」
「会社から来た時は、彼は黒い大きな傘で、彼女は高そうなベージュの傘。さすがに相合傘ってわけにはいかないわよね。でも、出る時は彼の腕につかまり、黒の相合傘だったのよ」
「それが何か?」まるで分からない昴。
「現場の遺留品や、回収品には、ベージュの傘の切れ端すら無かったの」
「忘れたんじゃないですか?ラブラブで」
「あんな高そうな傘を?…普通ならないわね。でも念のため、復旧した後の映像を確認したら、やっぱりこの傘立てからは消えてた」
「その間に誰かが盗んだとか?高そうならありえるんじゃありませんか?」
「もしくは…誰かに貸した…か」
富士本が咲を見て呟いた。
「それね。で…貸すとしたら知り合いだと思うのよ。そしてその誰かは、駅側からじゃ無くて、こちら側から、つまり後ろから来た誰か」
「なぜ、後ろからなんです?」
「横断歩道を駅から来たなら、千佳も気づいたはず。知り合いなら、千佳も知ってる人物である可能性が高いと思うんだけど…」
「咲、七海だと言いたいんだな?」
「あんな酷い事故なのに、未だ目撃者が出てこないってことは、雷雨のせいで周りにも人はいなかった…と考えると、確実にあの場にいた七海しか思い浮かばないのよね」
自分の勘が信じられないのは、初めてのことであった。
天を仰ぎかけた咲の視線が止まる。
「富士本さん。見つけちゃったかも」
「はぁ?」
同じ方向を見る二人。