Rainbow Moon 〜操遇〜
七海の学年は3クラスあり、二人は別のクラスであった。
昼休みになり、給食を食べ終わった慎吾。
七海のいる教室へ入る。
しかし、彼女は見当たらず、机も綺麗に片付いていた。
「七海は?」
適当に近くにいた女子に尋ねる。
二人の仲は、みんな公認であった。
「七海ねぇ、何か気分が悪いって言って、さっき早退したよ。」
「えっ!帰っちゃったの?」
「朝から授業もろくに聞かずに、外ばっか見てて…まぁ、聞かなくても分かってるんだろうけどね。天才だから」
「あんたさぁ。七海に勝ったの嬉しいのはわかんだけど、初めて負けたあいつの気持ち考えてんの?」
机に座ってあぐらかいてる伊藤沙織が呟く。
「普通ショックだと思うわよ〜たとえ相手が彼氏だったとしてもね〜。あっ、ほら」
校庭を校門へと歩く七海がいた。
「ありがとう、伊藤さん」
慌てて教室を飛び出して行く慎吾。
そこで、運悪く不良の倉田剛とぶつかった。
「ご、ごめん。急いで…グハッ!」
倉田の蹴りが脇腹を捉えていた。
「コキっ」
乾いた嫌な音がした。
「痛っ!」
息をするだけで脇腹に激痛が走る。
何も気にする事なく歩き去って行く倉田。
何とか立ち上がり、痛みを堪えて上履きのまま外へ出る。
「七海!」
と叫んだつもりが、激痛に遮られる。
それでも何とか校門で追いついた。
「な、七海…ごめん、僕は…」
脇腹を抑え涙目の慎吾の耳に、七海が囁く。
「おめでとう…」
それだけ言い残して歩いて行く。
慎吾は、もう動けなかった。
「青春してるってか?」
その様子を教室の窓から見ていた沙織。
「ついてない奴。まさか、滅多に学校来ない倉田にぶつかるとはね〜」
女子達の笑い声が微かに聞こえた。
実際のところ、他校との喧嘩を誰かが密告し、強制的に呼び出された倉田。
停学処分となり、その日以降、二度と現れることはなかったのである。
昼休みになり、給食を食べ終わった慎吾。
七海のいる教室へ入る。
しかし、彼女は見当たらず、机も綺麗に片付いていた。
「七海は?」
適当に近くにいた女子に尋ねる。
二人の仲は、みんな公認であった。
「七海ねぇ、何か気分が悪いって言って、さっき早退したよ。」
「えっ!帰っちゃったの?」
「朝から授業もろくに聞かずに、外ばっか見てて…まぁ、聞かなくても分かってるんだろうけどね。天才だから」
「あんたさぁ。七海に勝ったの嬉しいのはわかんだけど、初めて負けたあいつの気持ち考えてんの?」
机に座ってあぐらかいてる伊藤沙織が呟く。
「普通ショックだと思うわよ〜たとえ相手が彼氏だったとしてもね〜。あっ、ほら」
校庭を校門へと歩く七海がいた。
「ありがとう、伊藤さん」
慌てて教室を飛び出して行く慎吾。
そこで、運悪く不良の倉田剛とぶつかった。
「ご、ごめん。急いで…グハッ!」
倉田の蹴りが脇腹を捉えていた。
「コキっ」
乾いた嫌な音がした。
「痛っ!」
息をするだけで脇腹に激痛が走る。
何も気にする事なく歩き去って行く倉田。
何とか立ち上がり、痛みを堪えて上履きのまま外へ出る。
「七海!」
と叫んだつもりが、激痛に遮られる。
それでも何とか校門で追いついた。
「な、七海…ごめん、僕は…」
脇腹を抑え涙目の慎吾の耳に、七海が囁く。
「おめでとう…」
それだけ言い残して歩いて行く。
慎吾は、もう動けなかった。
「青春してるってか?」
その様子を教室の窓から見ていた沙織。
「ついてない奴。まさか、滅多に学校来ない倉田にぶつかるとはね〜」
女子達の笑い声が微かに聞こえた。
実際のところ、他校との喧嘩を誰かが密告し、強制的に呼び出された倉田。
停学処分となり、その日以降、二度と現れることはなかったのである。