明日が終わる、その時まで【完】
第一章


新学期早々、本当についてない。


「えーっと、2年生の教室は、3階だっけ?」


明日から新学期っていう日に、なんでインフルエンザにかかっちゃうかなぁ。

私、ついてなさすぎない?

結局一週間も学校休んじゃったし。

かと思えば、今日も寝坊した。

今は、と……8時30分か、ギリ間に合ってないな。

まーもういいや。この際、とことん空気読まずにいったれーい。


「あったー。2年2組」


私――佐野晶(さのあきら)、16歳。

新学期スタートから一週間遅れて教室の扉を今、開ける。




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