明日が終わる、その時まで【完】
「えっ、怒ってる?」
「怒ってねえよ。話、続けろ」
「うん……それで、すぐに再婚なんてすると周りに怪しまれるから、まずは転勤願いを出して違う土地にいく。そこで、しばらく大人しくして、久しぶりに会ったというていで出会う。それで、結婚……って、柴田、やっぱ怒ってんじゃん」
「怒ってねえよ……お前に怒ってんじゃねえよ」
「えっ?」
「…………他殺の可能性、あるかもしれねえ」
「は?」
今度は、柴田を見る私の目が大きく開く。
言葉を失う私を置いて、柴田は新たに浮上した可能性の理由を語り始める。
「親父さ、四年前に再婚したんだよ。お前俺のこと探してたとき家に行ったんだろ? あの人が言ってた」
「あの人って佳代子さん?」
「ああ」
柴田が頷く。
そして、私に衝撃的な事実を告げる。
「あの人、元警官なんだ」
「……えっ」
佳代子さんが、元警官……。
「親父の後輩で、同じ管轄だった」
「えっ、はっ? ちょっと待って!」
心臓が、急に、バクバクしてきた。