明日が終わる、その時まで【完】




柴田たちが住んでいた家とおばあちゃんの家はバス停で4つ分の距離があるそうだ。

都会のバス停と違って、地方のバス停は一つ一つの距離が離れているから、4つ分は結構な距離がある。

ものすごく離れているわけじゃないけど、歩いて行くには時間がかかる。

行き来するには車でないと大変だから、車の免許がないおばあちゃんからは気軽に会える距離ではない。

ましてや、柴田は学校があるし、お父さんもほぼ毎日仕事で家を空けていたから、当時、柴田がおばあちゃんと会うのは月に一度あればいい方だったらしい。



バス停から歩いて10分ほどで、小さな平屋が見えてきた。

家の前には小さな畑があって、すでにいくつかの芽が出ている。



「さあさあ、狭いところだけど上がって」



おばあちゃんと柴田に続いてお家の中に案内された私は、


「お邪魔します」


そわそわしながらおばあちゃん家に足を踏み入れた。




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