明日が終わる、その時まで【完】
――――………
次に目を覚ました時、部屋の中はまだ真っ暗だった。
光が漏れないように布団の中でスマホを開くと、時刻は夜中の3時だった。
おばあちゃんに合わせて布団に入ったのが20時前だったから、目がさえてしまったのだろう。
おばあちゃんは毎朝5時に起きると言っていたけど、さすがに、まだ起きる様子はない。
どうしたものかと目を瞑ってみるけど、何分待っても、羊を100匹数えても、眠れない。
「……だめだ」
完全にすっきり目覚めてしまったようだ。
私は、おばあちゃんを起こさないように、そっと布団から出た。
抜き足差し足忍び足で廊下に出ると、茶の間から明かりがもれていることに気づいた。
あれ? 電気消して寝たよね?
足音を立てないように、そっと茶の間に近づくと、二人掛けのソファに柴田が座っていた。
「眠れないの?」
いつもより小さな声で柴田に声をかけた。
ぼーっと前を見ていた柴田の視線が私に注がれる。
「……いや。寝たけど、目ぇ覚めた」
「あはは。実は私も」
茶の間に入って、柴田の足元近くに座った。