明日が終わる、その時まで【完】
「……ばあちゃんは、母さんが死ぬ前から、死んだ後も、唯一俺に対して態度が変わらない人だから」
「うん」
「たとえ親父が母さんの死に関わってたクソだったとしても……一人息子が死んだら、すげえ傷つくし、悲しむだろうから。多分ずっと、じいちゃんの時以上に泣くだろうから」
「うん」
「ばあちゃんが悲しむことはできない」
「うん。わかった」
柴田がそう決めたなら、私はそれを尊重するまでだ。
それに、まだ柴田のお父さんたちが関わっていたと決まったわけでもない。ただの仮説だ。
「それに……」
柴田は少し言いにくそうに、
「俺が父さんを殺そうとすれば、お前は止めずに俺に加勢するんだろ?」
私に確認をする。
「うん。するね」
「すんじゃねえよ」
即答する私に柴田が鋭いつっこみを入れる。
「するよ」
その言葉に嘘偽りなどない気持ちを、柴田を見上げる瞳にのせた。