明日が終わる、その時まで【完】
朝6時にもなると、眩しいほどの日の光が、病院の待合室に差し込んでくる。
ぽかぽか陽気と、すべてが終わったことの安心感もあって、急に強い眠気が襲ってこようとした時だった。
「大吾っ」
「大吾くんっ!」
どうやら、病院から連絡を受けた柴田のお父さんと佳代子さんが到着したようだ。
私は、ぼんやりとした頭で近づいてくる二人を見ていた。
「大吾っ! お前っ、連絡もせずにこんな場所まで、それも女の子まで一緒というのは、一体どういうつもりだっ」
……はあ?
柴田のお父さんの声に、眠気が一気に吹き飛んだ。
おばあちゃんの死に立ちあったばかりの息子に対して、会ってすぐに言う言葉がそれ?
おばあちゃんが亡くなった今、もう容赦する必要なんてない。
「最初に言う言葉がそれ?」
がばっと思いきり立ち上がろうとした私の勢いを寸前で止めたのは、佳代子さんの厳しい声だった。