明日が終わる、その時まで【完】
第三章
あれよあれよと4月が終わり、気が付いたら5月に入っていた。
同時に、捜査は一時中断となった。
いや、中断せざるを得なくなった。
なぜ? ってそれは――私たち高校生の本分である中間考査が始まるからだ。
「……ああー……ちょっと休憩」
私はその場にごろんと寝転んだ。
毛足の長いふわふわのラグマットが気持ちいい。
「晶ちゃん……なんか、どんどん休憩の間隔が短くなってない?」
困り顔で私を見つめる小春。
「ん~そうだっけ?」
私はとぼけてみせる。
「もうっ、晶ちゃんが一緒に勉強しようって言ったんだよ?」
「だって、一人だとポンと遊んじゃって勉強にならないんだもん」
「じゃあちゃんとやろうよ」
「……はい。すいません」
真っ当な人に真っ当なことを言われると、なにも言い返すことなどできない。
日曜日の今日、私が一緒に勉強をしたいと言って、小春の家にお邪魔していた。
勉強が始まって1時間は集中してできていだけど、段々と勉強に身が入らなくなって、休憩をとる頻度が多くなって……たった今、小春から愛のお叱りをいただいたところだ。