明日が終わる、その時まで【完】
「晶ちゃんやればできるでしょ? 中学の時まで、私より成績良かったよね?」
「あー、そんな時代もあったなぁ」
「たった3年くらい前の話だよ」
小春が冷静につっこみをいれる。
「小学生のときも、中学のときも、結構無理してたからね」
過去の自分を思い出すと、苦笑いしてしまう。
「無理って?」
「勉強は嫌いじゃなかったけどさ、だけどめちゃくちゃ好きってわけでもなかったから。良い点数とるために、学校帰ってきてからも、夜寝る前も、必死に勉強してた。そりゃ、あんだけやれば良い点とれるよってくらいには、頑張ってた」
「えっ……そうだったの?」
小春が信じられないと言わんばかりの表情で、私の顔を見つめる。
「そうだよ。その頃はまだ……これくらいできなきゃ、ママの命もらった意味ないって思ってたんだよね」
「……晶ちゃん。それは、違う」
切ない目で私を見る小春は、静かに、でもハッキリと過去の私の気持ちを否定してくれる。
「うん。ありがとう小春……パパにも、そう言われてさ。それで、必死になって無理してまで頑張るのは止めたの。自分の好きなことは無理してでも頑張るかもしれないけど、好きじゃないことは、普通に頑張ることにしんだよね」
「そうだったんだ。知らなかった……」