明日が終わる、その時まで【完】



「だから成績が落ちたっていうよりは、高校に入ってからの成績が、多分私の本当の実力なの。そりゃ体に支障をきたすほど頑張ればもっと良い成績出せるだろうけどさ。人のせいにする頑張り方はもうしないって決めたから」

「人のせいにする頑張り?」

「うん。パパにこう言われたんだ……――」


晶は、ママのため、パパのためって思ってるのかもしれないけど、もしもそれで必死になりすぎて体を壊したり、心を壊したら、僕たちはきっと自分たちのせいでって後悔する。

とても悲しくなるんだよ。

辛くなるんだよ。

強く、自分を責めてしまうんだよ。


誰かのためは、とても素敵な原動力だけどね。

でもその結果、晶が笑顔でいなければ、晶が原動力としていた〈誰か〉は絶対に喜ばない。

晶が幸せでなければ、〈誰か〉はとても苦しむだろう。


だから約束してほしい。


これから先、〈誰か〉のためを原動力にするときは、自分を犠牲にしないこと。

自分も笑って、楽しめること。

喜べること。

そういう、人のせいにしない頑張り方をしてほしい。


そうすれば、きっと〈誰か〉も喜んでくれるはずだよ。心から笑ってくれるはずだよ。


晶、約束だよ。



< 146 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop