明日が終わる、その時まで【完】
◇
5日間におよぶ中間考査が無事に終わった。
テスト期間は平常授業がないせいか、普段よりもあっという間の一週間に感じた。
2年生に進級してから初めてのテストは、まずまずの結果だった。
「……うっそ」
私は、順位表の前で、固まっていた。
うちの学校は、成績上位50名が学年の廊下に張り出される。
1学年200人くらいいる中の上位50人だから、50位でも十分すごいのだが……。
「柴田くんて、頭良いんだね」
感心したような小春のつぶやきが、これが嘘でも幻でもないことを証明していた。
私の隣で順位表を見上げる小春は、29位に名前がある。
そしてさらに先の9位に、柴田大吾の名前があった。
ちなみに私は59位。1位は当然、福沢くんだ。
「なに石みたいに固まってんだよ」
呆然としている私の頭を、誰かが小突いた。
ばっと振り返ると、私の背後に学年9位の男が立っていた。
9位……9位?
「…………この、裏切者っ!」
「なんでだよ」
柴田は呆気にとられた様子で私を見下ろす。