明日が終わる、その時まで【完】



男子は体育館でバスケ、女子はグラウンドでフットサル。

朝からジャージに着替えて動き回って体力削ると、その後の授業が眠くて眠くて。

でも、だからって、



「晶っ、パスッ」

「はいはい」


手を抜いてっていうのは、できないんだよね。

加減しながら動き回るなんて私には絶対無理。



「いっけーー!!」



私が蹴り上げたボールは、ものすごいスピードで回転しながらゴールネットに入った。


「おっしゃ!」


ピーーーと、試合終了の笛が鳴る。

同じチームのメンバーとハイタッチして喜びを分かち合っていると、


「晶っ! もっと手加減してよっ。怪我したらどうすんのよー!」


相手チームのゴールキーパーをしていた亜美が私に詰め寄ってくる。


「だから怪我しないように、ちゃんと外して蹴ったじゃん」


そもそもフットサルでキーパーに向けてボール蹴る人いる?

キーパーにとられないように外して蹴るのがフットサル、サッカーだよね。


「私がとれるような玉蹴ってよー!」

「んな無茶な」


そんな理不尽なこと言われても困るんですけど……。

他のチームメンバー押しのけて自分がキーパーやるって言ってたの、あんたじゃん。


「まあ、また今度ね」

「絶対よー!」


亜美を適当にあしらって、芝生に座る小春のもとへ走った。


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