明日が終わる、その時まで【完】


カメラのレンズは窓の外を向いており、小春が言った通り蓋はしていなかった。

私は、右へ走ったり、左へ走ったりして、キラッと光る場所を探してみた。

それはいつでも光って見えるわけではなくて、太陽、カメラ、自分のいる場所によって、反射による光を感じる場所は変わる。

カメラは動かなくても、太陽と私は動くから当然だ。


「…………あれっ?」


そういえば私、前にもどこかで同じような光を感じた覚えがある。

どこだっけ? 思い出せない。

ここのところ、色んな事があったから、記憶がこんがらがってる。

頭の中で過去の記憶の扉を開けていると、



「晶ちゃんっ」



私を追ってきたのか、小春が息を切らしながら近づいてくる。


「どうしたの? 急に走り出して」

「うん……ごめん小春……ちょっと待って、今思い出してるんだ」

「うん? あっ! やっぱり望遠カメラあったんだ。すごい大きいね」

「…………うん」


頭をフル回転させている私は、大好きな小春にも空返事(からへんじ)だ。







「流星群とか見える時期になると、屋上に持って行って写真を撮ることもあるんだって」







「……………………もう一回」


「うん?」


「今の言葉っ、もう一回言って!」




私は必死の形相で小春に詰め寄る。



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