明日が終わる、その時まで【完】
「晶っ! 学校来てたのかよ。もう大丈夫なのか?」
私の存在に気がついたまっつんが机の前に駆け寄ってきた。
松井武ことまっつんとは中学が同じだったこともあって、まあまあの仲良しだった。
マブダチってやつかな?
「うん。もう平気。ありがとまっつん。卒業まで、またよろしくねー」
「おう。よろしくな!」
私の記憶が確かなら……明るくて、正義感が強くて、お人好しだったまっつん。
中学の時は生徒会にも入っていたし、本来ならクラスのみんなを良い方向へ引っ張るような子だったと思うけど……。
話した感じは前と全然変わらないからこそ、なんでこんなことするようになってしまったのか、残念で仕方ない。
「あっ、そうだ。晶さ、休んでたから大吾さんのこと知らないだろ」
は? 『大吾さん』だあ?
同い年のくせに、恥ずかしげもなく舎弟感出しちゃってるよ……。
「来いよ。紹介してやるから」
あーだめだ。
柴田大吾のことを話すまっつんの目は完全にイッちゃってる。
憧れのヒーローを見る少年の目といえば聞こえはいいけど、どちらかと言えば、教祖に心酔する信者の目だ。