明日が終わる、その時まで【完】



「え、えっと、だからね、流星群とか見える時期になると、屋上に持って行って写真を撮ることもあるんだって」


「屋上っ、それだっ!!」


「えっ?」

「小春っ、ありがとうっ!」

「えっ、えっ? よくわからないけど、どういたしまして?」


私は、再び走り出した。


「晶ちゃんっ!」

「ごめん小春っ。私、授業さぼるっ!」

「ええーー!」

「先生には体調不良って言っててー」


小春を置いて私は走った。


そうだ。はっきりと思い出した。


屋上だよ。

8年前に柴田が住んでいたマンションの屋上に行ったときだ。


屋上から引き返そうとしたとき、一瞬、マンションの向こう側でキラッと何かが光った気がした。

その時は、向かい側の建物の窓ガラスが太陽の反射で光ったのかなって思ったけど、もしそうならここまで違和感なんて覚えない。

窓ガラスの反射とは違う光だからこそ、私は気になったのだ。



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