明日が終わる、その時まで【完】
「一体なにを始めるかと思えばっ……、馬鹿なことすんじゃねえよっっ!」
「そんな、怒んなくてもいいじゃん。ねえそれよりも動画、撮れた?」
「佐野っ!」
「だから、ごめんって」
そこまで怒鳴ることなくない?
「ちゃんと聞けよっ」
「……聞いてる」
ここまで感情を露わにして大きな声を出す柴田、初めて見たかも。
でも、裸になったわけじゃあるまいし、そんなに怒んなくてもいいのに。
「こういうことはするな」
「わかってる」
「いいか、二度とするな」
「わかってる。ごめん」
「頼むからっ、やめてくれ……俺が、嫌なんだ」
「わかったよ。ごめん。ごめんね……もうしないから」
ねえ、柴田。やめてよ。
そんな悲しそう顔しないでよ。
こっちまで悲しくなっちゃうから。
柴田にそんなを顔させることなら、もうしないよ。
嫌な思いさせてごめん。ごめんね。
「後ろ向いてるから、先に服着ろ」
「うん」
もう全部見たくせに、後ろを向いて私が服を着るのを待つ柴田。
そんな見た目して、あの北高に不良の友達もいるくせに、どうやら柴田は硬派らしい。
意外な一面というか。まあ、根っこが真面目なのだろう。刑事の息子でもあるし。