明日が終わる、その時まで【完】
「服着たよ」
「ああ」
振り返った柴田に、さっき体にかけてくれたブレザーを返した。
感情が高ぶっていた柴田も、だいぶ落ち着いた様子だった。
「じゃあ行こうか」
「今度はどこに行く気だ」
「お父さんとこだよ」
「お父さんって……俺の?」
「そう」
「親父なら仕事だぞ」
「だから仕事場に行くの」
「はあっ? ますます意味わかんねえよ……」
混乱する柴田を引っ張って、私たちは屋上を後にした――