明日が終わる、その時まで【完】








それから一週間後の日曜日。


「すみません。マンションの管理会社の者ですけど、ちょっとよろしいでしょうか」


ゆっくりドアが開かれると、部屋の中から男が顔を出した。

50代くらいの、小太りの男だった。



榎本康(えのもとやすし)さんですね。僕ね、こういうものなんですけど」

「っ‼」



警察手帳を見せながら、ドアに自分の体を挟んで、閉められないように先手を打ったのは、柴田のお父さんだ。



「ちょっと話聞かせてもらってもいいですか?」

「っ……なんでっ、なんでっ、なんでばれっ……はっ!」



男の視界に映るように、私と柴田もお父さんの隣に移動した。

男は私の顔を見るなり、ぎょっとした顔をした。


私、柴田、柴田のお父さんは、榎本という男の部屋に入った。

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