明日が終わる、その時まで【完】




榎本の部屋は10畳ほどのダイニングキッチンに、6畳ほどの寝室の1LDK。

綺麗に整頓された部屋は、男の一人暮らしとは思えないほど清潔だった。


「失礼しますよ」


柴田のお父さんは榎本にそう告げると、迷うことなく寝室に移動した。

寝室のカーテンは閉じられているが、なぜか右端だけ不自然に膨らんでいる。


お父さんがカーテンをめくると、


「あっ……」


榎本の力ない声がこぼれた。



同時に、三脚に設置されたカメラが私たちの目に飛び込んできた。

よく見ると、20センチほど開いた窓の隙間からレンズの先端が少しだけ飛び出している。






「ビンゴだ」





柴田のお父さんが頷いた。


< 169 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop