明日が終わる、その時まで【完】


「いや、いいよ」


私、無宗教だから

神も仏も校長先生も、都合のいい時しか手合わさないタイプだからさ。


「遠慮すんなって」

「してないしてない」

「いいからいいから」

「よくないよくない」


私の返事など無視して、まっつんは一番後ろの席に座る柴田の前まで私の腕を引っ張っていく。

こうやって見てみると、他の男子は柴田大吾と距離をとっているのに、まっつんは柴田の前まで迷いなく近づいている。

つまり男子の中でもまっつんは柴田に気に入られてる? 

もしくはまっつんが空を気読めないだけ?


どちらにせよ、行動を共にしている男子でさえ、柴田に気安く近寄ることはできていないことはわかった。


「大吾さん」


席でスマホをいじる柴田に声をかけるまっつん。

まっつんに呼ばれてスマホの画面から視線を外す柴田。


そこで初めて、私は柴田大吾と目が合った。



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