明日が終わる、その時まで【完】
「花束……これ、母さんに?」
「うん」
映像で見た柴田のお母さんを想像して、ピンクと白をベースに作ってもらった花束。
お供え用の花には、それぞれにちゃんと意味やマナーがあるのはわかっているけど、私はあまり好きじゃない。
お供えするってことは、故人にプレゼントするお花ということになる。
だったら、渡した時に「わあっ!」って笑顔が溢れるようなお花がいい。
だから、ガーベラやバラ、カーネーション、カスミソウなんかも入れて、ふんわりと華やかな花束にしてもらった。
「ありがと。母さん喜ぶな」
柴田は目を細めて花束を見つめていた。