明日が終わる、その時まで【完】
柴田の家に着くと、すでに偲ぶ会は始まっていた。
リビングの奥のソファに、柴田のお父さん、佳代子さんが並んで座っていて、向かいのソファに福沢くん。そして福沢くんの足元に北高のA、Bが座っていた。
「晶ちゃん、早くおいで」
お父さんがソファから立ち上がって私を手招きする。
「遅れてすいません。お邪魔します」
リビングに入って、とりあえず福沢くんの隣に座った。
あぐらをかいているAとBにも「久しぶり」と声をかける。
「晶ちゃん、遅かったじゃーん!」
Aは相変わらずスカスカの前歯でニカッと笑う。
「うん、ちょっとね」
「なんだ、男か?」
こっちも相変わらず髪もまゆ毛もないBがニヤリと下品な笑みを浮かべる。
「そうよだって言いたいところだけど……お母さんのとこ、柴田のお母さんが亡くなった場所で、手合わせてきたの」
別に隠す必要もないから、遅れてきた理由をBに伝えた。
「そうだったのかよ」
柴田が「だったら先にそう言え」と、私を軽く睨む。