明日が終わる、その時まで【完】
「おは…………いや、なんじゃこりゃー‼」
新しいクラスメイトへ贈るはずの「おはよう」は、目の前に広がる光景によって潰された。
どうしてかって?
それは、私の目が節穴じゃなければ、教室の床も、壁も、窓も、どす黒い液体に侵されていたから。
椅子や机も散乱しているし、窓ガラスは割れてガムテープなんか張ってある。
はあ? なにこのヤンキー漫画に出てきそうな荒れた教室は。
うちの高校ってまあまあの進学校だよね?
基本真面目な生徒しかいないような学校だったよね?
えっ、まさか世界滅亡? 魔王降臨? 令和終了? んなわけあるか。
一体この教室で何が起きたのか、頭をフル回転させている私の元に、
「晶ちゃんっ!」
柔らかくも凛とした声が届いた。
「あー小春! 良かった。生きてたんだー!」
私は思わず小春を強く抱きしめた。