明日が終わる、その時まで【完】
私は顔だけ後ろを向いて柴田の目を見返した。
おーすごい。
美形の睨みって迫力あるな。
「私がなにしようがそっちだって関係ないじゃん?」
静まる教室の中、私の能天気な声だけが響く。
そっちがなにしようが関係ない。
それなら、私がなにをしようがそっちにも関係ない。
だから、
「私に指図しないでね」
そういうの嫌いなんだ。
人に命令されたり、強制されることが。
だからお願いねという意味も込めて、いつもより可愛げある声で言ってみたけど、あんまり効果はなかったようだ。
それ以上柴田からの返事がなかったから、私は黙って教室を後にした。