明日が終わる、その時まで【完】
二人の気持ちはわからないでもないけど、なにもそんなバカなことしなくても……。
「別に、止めないよ」
呆れる気持ちを隠すことなく、私は亜美と梨花を無視して席に着いた。
「「晶ぁ~!」」
亜美と梨花が泣きながら私の名前を呼ぶけど、私は聞こえないふりをした。
亜美、梨花。
柴田が気に食わないのはわかるけど、それはダメだ。
〈死ね〉なんて、〈消えろ〉なんて。
しまいには〈生まれたのが間違い〉なんてさ……。
いくら柴田に腹が立っているからって軽い気持ちで言葉にしていいことと、絶対にしてはいけないことがある。
そんな暴言を相手にぶつけるのだって論外だけど、見るたびに脳裏にこびりつくような文字として残すのは、もはや同情の余地はない。
反省して。
という思いも込めて、亜美と梨花への集中攻撃を見過ごすことに決めた。
私に見捨てられた亜美と梨花に、再び墨汁が入った水鉄砲がかけられていく。
顔も髪も墨汁水で汚れて可哀そうだとは思うけど、自分たちがしでかした分の報いは受けようって思う私は冷たいかな?
まあ、私、善人じゃないんでね。