明日が終わる、その時まで【完】
「晶ちゃん、おはよう」
「小春おはよ。ところでこれいつから始まってたの?」
「えっと、確か20分くらい前からかな」
「えっ、そんなに? よく飽きないね~」
すると、亜美と梨花へと攻撃はパタッと止んだ。
どうやら水鉄砲に入った墨汁がなくなったようだ。
20分もそうしていたら玉切れになるに決まっている。
「今日のところはこれで」
まっつんがそう言いかけたところだった。
「おい武」
まっつんの言葉を遮るように、今まで黙っていた柴田が口を開いた。
ずっと興味なさそうにしていたくせに突然声を出したと思ったら、
「まだあるだろ? あれ、飲ませろよ」
あれと言って、柴田は教室の後ろにある墨汁を指さした。
誰が用意したのか、教室の後ろの棚には、まだ10本以上の墨汁が置いてあった。
いや、そんなことはどうでもいい。
今、柴田は、墨汁を指して亜美と梨花に「飲ませろ」と言った。
その発言には、さすがのまっつんも顔をひきつらせる。