明日が終わる、その時まで【完】
「で、その柴田は?」
教室を見渡しても柴田の姿はどこにもいない。
「柴田くん、今日学校きてないの」
すぐに小春が教えてくれた。
学校来てないってどういうこと? 何があっても今日まで休むことなく来てたんじゃないの?
まさか私のせいで学校来づらくなったとかじゃないよね?
「なんで? 誰か連絡とってないの?」
男子に視線を向けると、
「俺ら、大吾さんの連絡先知らないから……」
まっつんが寂しそうに答えた。
男子の中でも比較的柴田と関わりの深そうだったまっつんが知らないってことは、誰も知らないのだろう。
「私、先生に住所聞いてくる」
「晶ちゃんっ」
「小春ごめんっ、ノート明日また写させて!」
私はたった今着いたばかりの教室から踵を返して、廊下を走り出した。
三階から二階、二階から一階と、階段を駆け下りて。
あとは昇降口の前を通り過ぎて職員室へと一直線というところだったのに、
「佐野さん、待って!」という必死な声が、
私の足を急停止させた。