明日が終わる、その時まで【完】





「っなに! って……なんで、福沢くん?」



振り返ると、私の後を追いかけてきたのか、息を切らした福沢くんがいた。

肩で息をして、膝に手を置いて、呼吸を整える福沢くん。

でもどうして福沢くんが私を追いかけてきたのか、見当もつかなくて、勢いづいていた足も心も固まるように止まってしまった。


すると、福沢くんは私に一枚の紙を差し出した。



「これ、大吾の住所」


「えっ?」



えっと……ごめん。

私の聞き間違いかな?



今、福沢くん『大吾』って、言った?

真面目で優等生で、柴田となんて最も対極な場所にいるような福沢くんが、なんで柴田のことを?


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