明日が終わる、その時まで【完】
「優しいよ。大吾は優しいんだっ。人を傷つけるようなこと、一番嫌いなはずなんだっ……今の大吾は本当の大吾じゃないっ」
「柴田は、なんでそんなに変わっちゃったの?」
そんな優しかった人間が、なんであんな目をしているの?
「……それは……」
今まで饒舌だった福沢くんが急に言葉を濁す。
柴田が変わってしまった理由に心当たりがあるようだけど、私には言えないのだろう。
全然わからないけど、簡単に口にできるようなことではないってことだけはわかった。
もともとしつこく追及するつもりもなかったから、私は福沢くんに「住所ありがとね」と告げて、固まっていた足を動かした。
だからまさか、そこからさらに福沢くんが私を追いかけてきて、その〈理由〉を口にしたのは、本当に想定外だった。